君しかいない。

体育館に用意されてる1年生用ようのイスに座る。
座る順番は番号順で1列だから朝比奈と席は遠い。
ちょっと寂しい。
あぁ…そんなことばっかり考えてたらなんか眠くなってきた…
入学式ってこんなに長かったっけ。
早く終わんないかな〜

トントントントン

「椎名さん…椎名さん…もう少しで終わるから寝ないで頑張れ!」

あれ私、寝ちゃってたのか…
えっ!ってことは寝顔見られた!?
なんてこった。私としたことが…

「あっごめん。ありがと。えっと…杉浦瞬くんだよ…ね?」

今日初めて会ったから名前はうる覚えたけど、多分あってるはず…

「名前覚えててくれたんだ。よろしくね!椎名夏希さん。」

なんとなくフレンドリーな瞬くん。
小学校は違うから、話したことは全くない。
でも、優しくていい人かもとか思ってる自分がいる。バカだなぁ。

「椎名さん入学式終わったから、もう退場だよ。」

「やっと終わった〜退場かぁ。なんか腰痛い。」

退場ってことは…
少し期待してしまう。
もしかしたら朝比奈と隣になれるかもしれない。

でもそんな奇跡は起こらなかった…
私の列の方が歩くのが少し速くて1人分ずれて、隣にはなれなかった。