「ふー。到着。」

学校までほぼ全速力だったから結構疲れた。

「マジで夏希早すぎだから…」

息を切らしながら追いかけてきた奈那は今にも倒れそう。

「ねぇねぇ麻友、掲示板どこ?」

「あそこの人がたくさんいるところだと思うけど…」

麻友の指してる方を見ると、クラス表が貼り出されている掲示板の前にいるたくさんの人。
うぇ最悪。

「人多すぎて全然見えないじゃん。」

苦い顔をしながら麻友の方を向く。

「そのうち見えるでしょ」

でた。冷静すぎる。ある意味尊敬。
でも私はそんなの待ってらんない!

「ほっ!ほっ!」

こうなったらジャンプするしかない!

「夏希!そんなに必死にとんだって見えないでしょ?」

「あっ…」

今一瞬だけ見えた名前は自分のじゃない名前。小学校の時からの好きな人。
『朝比奈太陽』
自分の名前よりも先に見つけた。

「4組か…」

「夏希の名前あったの?」

麻友がなぜか満面の笑みで聞いてくる

「ううん。見えたような気がしただけ。」

よし今度こそ自分の名前を!