─七瀬
姉の名前を呼ぶあなたの声
その声に、何度胸を痛めただろう。
その愛おしい人を見つめる瞳に、
何度涙を流しただろう。
姉のことを想う気持ちに、
何度嫉妬しただろう。
なんであなたを好きになってしまったのだろう。
ずっと後悔した。
自然にあなたのことを目で追っている自分に
あの人は姉の彼氏、だと言い聞かせて
自分の気持ちにブレーキをかけてきた。
好きだ、と伝えたいけど
言えなかった。
奪ってやりたい、と思ったけれど
そんな勇気も自信もなかった。
私は、あなたを好きになって
たくさんの苦しみを知った。
それでも、あなたを忘れることなんかできなった。
好きだという気持ちを、消すことなんてできなかった。
あなたの隣にいたかった。
彼女じゃなくてもいいから
せめて、"特別"な
他の子とは違うなにかでありたかった。
私の気持ち、あなたには
届いていますか?

