あれからどのぐらい泣いただろうか。


外はもう、夕日色に染まっていた。



私が泣いている間


裕也はずっと私のそばにいてくれた。




「……はい、これ紅茶。」


「ごめんね。ありがとう。」


「……ん。」




今日の裕也には


いつもの意地悪さはない。



ただ、私の隣にいてくれている。




「ねえ、裕也は知ってたの?」


「あぁ、お前が初めてこの家に来た時

親父から聞いた。」




そっか。知ってたんだ……。