「…コッピ…あたしのこと騙したの…?」

『…沙綾』


綾斗の手が肩に置かれるけど、あたしにはそんなことどうでもよくて。


『…サアヤ…』

「…何とか言ってよ!!人を…殺してるんでしょ!?ねぇ孝二郎!!」

『……』

「…否定もしないの…?ねえコッピ!!!」

『うるせぇよ!!』

コッピは勢いよくあたしに近付いて来て、あたしの首元を思いきり掴む。

『沙綾さん!!取り押さえ…』

『やめろカイ。見ろ。』


視界に入るのは、別人になっちゃったコッピと、リクコさんとカイさん。


『お前に俺の何がわかる…!?恵まれたお前には、死んでも俺の気持ちなんてわかんねえよ!!』


そのまま床に押し倒されて。

「…コッピ…」

「色んなことして、忘れようとしてたんだ!!なのにお前が…全部俺を…!!」

コッピの悲しい瞳から、一粒涙がこぼれる。

もう怖くなかった。
初めてコッピの涙を見て、あたしの中の感情も揺れ動く。


『…お前がいるから…!!俺はおかしくなるんだ!!』


そう言って内ポケから、拳銃を取り出す。

『……!?孝二郎!!』

『カイ止めろ!!』

「やめて綾斗!!!」


思いきり叫ぶ。

するとコッピは、起き上がって拳銃をあたしにつきつける。