信じたくなかった。

だって中3だよ…?
中3で人殺しなんて…


脳裏によぎるのは、悪いことばかり。


だけどあたしは、平然を装って、コッピのラインに書き置きする。


『コッピ~』

『今日学校休むね』
『色々あったし疲れちゃって…』
『ま、ということです笑』


何度も文章を確認して、平然かどうかを確かめた。

混乱してる頭では、理解にじかんがかかる。

ラインが送れたことを確かめると、あたしは制服を脱いで、
白のタイトスカートに、上はもこもこトレーナー、黒いタイツと数十万とした白いコートを羽織って
スマホを片手に1階へ降りる。


『知り合いだったのか。へえ…ん?うん。…うん。いや違う…あっそうそう。そういうこと』


綾斗は電話中だった。
話しているのは、口調からして親しい人だと思われる。



『うん。うん、そうそう。もうすぐ家出っから。うん。弟君は?…あ、わかった~楽しみにしてる~はい、はーい』


嬉しそうに電話を切った綾斗の口に、黒い微笑みが浮かぶ。


『里玖子、弟君連れてくるってさぁ~。もし行かない様だったら、良太郎使って何としても連れてくってよ笑』

「えっ…!?」


思わず声をあげてしまった。

すると綾斗は、呆れたようにあたしを見つめてくる。

『…やっぱ知り合いだったか』

「………」

『…ま、いいや。2ケツすっぞ』

「……うん」

あたしはそのまま、綾斗の背中に乗って、全く知らない場所へと連れて行かれた。