『そいつがさ、結構な組織と組んでるらしいんだよ?なんか、人身売買的な?人殺して金儲けとかする組織らしいんだよな』


有り得ない

コッピが、そんな人な訳ない…
コッピはそんなこと…
絶対しない…


「ふぅん。綾斗はその葉山に会って、何すんの?」

『…その仕事のギャラ聞いて、もし凄かったら、俺はそいつらと組む。元総長の肩書きがありゃ、普通に入れんだろ』


また煙草を加えながら、淡々と話す綾斗に血の気が引いてゆくのを感じて。

「へえ。あたしは知らないな。葉山でしょ?知らない」

『ん、わかった…見つけたらすぐ言えよ?』


狂ってる。

人を殺して儲ける?
そんな組織あるわけないでしょ…?

警察に通報すれば、一発で捕まるんだよ…?



あ。でもあたしは訴えられない。
あたしも、煙草吸っちゃった。


『人を殺して儲けるとか…すっげえ楽じゃね?拳銃とかで殺すだろうから、死体の片付け面倒くさそうだけど』


時計を見ると、午前4時を回っていた。


「今日、学校休もうかな」

『お前にしては珍しいな?』

「そんな時もあるし」

『じゃ、いい場所でも連れてってやるよ』

「え、5時まで待って。」

『…わかった。……とりあえず里玖子に電話しとっか。…お前は用意してこい?』



あたしは自分の部屋に戻るため、階段を上る。

有り得ない
コッピがそんな…
絶対有り得ないから……