『お前…ハジメテ?』
耳元で囁かれて
うん、とも、ううん、とも言えなくて
ドキドキが止まらなくて
どうしたらいいかわからない。
『…そういうことは別としてさ、俺ん家来ない?』
「……うん」
コッピの家は、広々としてて。
あの出会ったときの独特の甘い匂いが、外までして。
『…孝二郎?その娘…』
『あぁ、姉ちゃん…俺の…彼女…』
コッピは少し照れながら、コッピのお姉さんと思われる人に挨拶をする。
背中に龍の書いてある革ジャンを羽織ってて、黒いロングスカートを履いて。
バイクに寄りかかって、煙草を吸ってる。
少しだけ、コッピと似てて。
「こんばんは…中谷沙綾です…」
『こんばんは沙綾ちゃん。孝二郎の姉の里玖子です。』
怖そうだけど、優しそうだった。
リクコさんはそっと笑ってあたし達を見送ってくれた。
コッピの部屋は、色んな香水が並べられてた。
ベッドの枕元には、あたしとコッピが吸った、セブンスターが20コくらい乱暴に置いてあって。
吸い殻もたくさんあるのに、あの甘い匂いで消されてる。
『ん。こんなんしかなかった』
投げられたジュースを受けとると、コッピはジャージを脱いで、タンクトップ姿で、あたしの隣に座る。

