そう言ってコッピは上に羽織っていたジャージを脱ぐ。
「…これっ…て…」
声が出なかった。
コッピの左肩には、酷く濃く書かれた大きな"虎"の文字。
右肩から腕の関節部分までには、龍と思われるものが刻まれていた。
そしてコッピは髪をつかんで、ゆっくり取った。
その下にもうひとつ被られている黒い髪を外すと、コッピの姿は変わり果てた。
「…コッピ…だよね…?」
『…うん。俺だけど?』
足元には2つの長い黒い髪が落ちて。
風になびくのは、つやつやの黒い髪じゃなく、荒々しく染められた真っ赤な長めの髪。
その中には金や銀の髪も混ざってて。
「……どうして、こんな…?」
『…お前には言えない』
「…コッピ…」
『…早く作れよ、冠』
作れと言われ、下を向くけど
頭の中は混乱してて
何故か考えながら出来たシロツメクサの冠。
「…出来た」
『…上手じゃん』
パッと見ると、もういつものコッピに戻ってた。
「びっくりさして、ごめん」
『…ううん。コッピなら怖くない』
本心だった。
優しくて強いコッピなら、姿が変わっててもコッピはコッピだし。