『サアヤは彼氏、作らんの?』
「んー…欲しいけど、あたしと付き合ってくれる男の子なんていないよ!!あたし全然女の子らしくないし」
『そんなことないよ~普通にしてれば可愛いよサアヤ♪』
「はいはい、お世辞は飽きました。」
そんな会話をしながら、理科室へ続く3階の階段に足をかけた時だった。
「……んおぉ!?」
思わず変な声をあげる。
コロコロ…と野球ボールが上から転がって来たと思ったら、あたしの足元に落ちて、こけそうに…
「…うわっ!!」
『え、ちょ、サアヤ!?大丈夫!?』
なったんじゃなくて、こけた。
良かった。
今日スカートの中ハーパンで。
『…もー、コッピー何やってんの!転んじゃったよ!!』
『んなもんずっこける方が悪いだろ』
…………ムカッ…!!!!!
上から降りてきた優しい男の子に助けられて、何とか起き上がる。
「っ……いったぁ…」
『…あー…足捻った?大丈夫?ね、ゆっちゃん保健室まで連れてってあげよ?』
立ち上がって上を向くと、落ちた野球ボールを拾いに、さっきのちょームカつく発言したヤツが降りてくる。
『コッピー女の子だよ?謝るくらいしたら?』
「そうよ!!女の子に当たったんだから、謝りなさ…」
顔を見た途端、目を持ってかれた。