月光~誠ノ心~

「李彩~。」香苑に呼ばれ、振り返ると。

目をキラキラさせながら私の顔と、甘味処と書かれた暖簾を交互に見ている。

分かりやす…。


「香苑、そんな顔しても行かないよ。夏奈探すのが先。」

「鬼!」


鬼って…。

お子様かよ…。

香苑は、ほっといて。

夏奈は多分猫と日向ぼっこしてる筈だから。


「って、居た。」


考えながらも、夏奈を発見した。


「夏奈~!起きて!」


寝ている奈夏奈に声を掛けている香苑、全然起きないよ。