絆テレパシー

（いいですよ）
彼女は快く許可してくれた。
（ありがとう。まず、君は超能力者と思っていいんだよね？）
現実ではあり得ないくらいスラスラと話せたことに自分でも驚きながら問う。
（はい。私もあなたと同じです。）
（だよな。…その、このテレパシーってのは何なんだ？）
単刀直入すぎたが彼女はすぐに答える。
（そうですね…例えるなら、一方通行だった道を二つに分割することで、｢行き来｣することのできる状態にした、といったところでしょうか。）
俺は今一ピンと来なかった。察した彼女は 続ける。
（詳しく説明すると、あなたが使ってきたのは、対象の脳内の思考を受けとる、というものでしたよね？これが一方通行の道です。情報を受け取るだけの状態のことをさします。）
少し理解できたような気がした。
（そして｢二つに分割する｣というのは、私があなたの脳内にアクセスして既に完了させています。…まぁ、この事については追々わかるでしょうから省かせてもらいます）