「よかったー。
大切にしてたやつだからさ……」
拾ってくれてありがとう、と満面の笑みで言うと、女子が手を差し出して……
「ど、どうぞ……」
キーホルダーを差し出した……。
「ありがとう」
それから女子はそそくさと帰っていった。
そうなると必然的に、あたしは拓人君と二人っきりになるわけで……
「……おい」
ビクッとあたしの肩が上がる。
素の拓人君と二人っきりと同じことでして……
朝のことがあって、気まずいし……
「お前……まじ何やってるわけ?」
明らかに低い声に、あたしはどうしたらいいかわからない。
「……何で、ここにいるんですか?」

