あたしは女子の言葉に、声を詰まらせた。
「そういえば、最近席横だからって、仲いいわよね?」
いや、そこまで話してないよ……
委員会のこととか、それくらいしか……
「ベタベタして……うざいのよ!」
「……っ!」
突き飛ばされたあたしは、その場に倒れる。
あたしが視線を向けると、いきなり笑い出す女子……。
「このキーホルダーは、返さないわよ?」
「な、なんで……」
「ずっと狙ってたのよ?
返すわけないじゃない」
……悔しい。
取り返そうとしたって、あたしには何もできないの……?
……ううん。
諦めちゃダメだよ。
あれが……
拓人君の大切な物なんだから……っ!

