い、今徳山君のキーホルダーって言ったよね!?
声の方に足を進めると、そこは紛れもないあたしの教室。
耳を済ませると、会話が聞こえてきた。
「じゃじゃーん!」
「これ、携帯につけてたやつじゃないの!?」
「そう!」
「どうやって!?」
「実は、前に携帯置いてあって、そのときに!」
「すごーい!!」
いつも携帯につけてるって、やぱり無くしたっていうキーホルダーだよね!?
ってか、置いてあった携帯から取るって、犯罪だよね?
……ううん、考えてる暇はないよっ!
あれは拓人君の大切な物なんだもん。
取り戻さなくちゃっ!
ガラッ!
あたしは勢いよく戸を開けた。

