「ふーん。
俺がわざわざ送ってやるって言ってんのに、断るんだ?」
「……え?」
な、何か口調が違う?
優しい感じしないし、むしろなんか……
「渋谷さんが寝てたとき、上着かけてあげて仕事も全部やってあげたのになー」
「う……」
「あろうことか今度は人の好意を無にしようとするとか……」
「うぅー……」
こ、こんなの徳山君じゃない!
あたしが呆気に取られていると、
「あれ?
俺のイメージ崩れちゃった?」
と口角を上げて笑った。
あたしが固まっていると、さらに意地悪な笑みを浮かべて、
「こっちが本当の俺だよ?」
と言った。
そ、そんな!
今日だって女の子に囲まれても、王子様スマイルだったじゃないか!
こんなのアリ!?

