そしてなぜか、あたしに嫌がらせが降ってくることはなく、代わりに付き合った経緯を聞かれた。
……本当のことは伏せたまま。
って言っても、あたしがはぐらかしてたら
「徳山君!経緯は!?」
って、拓人君に聞かれちゃったんだけどね……
そんなこんなで、今日は2人で帰ってます!
「……みんなに、言ってもよかったの?」
隣で、あたしの手を優しく握って歩く拓人君に聞く。
「別に。俺の本性はバレてねぇし」
そうだよね……
拓人君のとっては、それがバレなければいいんだよね……
「それにさ、」
繋いでいる手をギュッと握って、拓人君が言う。
「付き合ってることはバレてても、同居のことはみんな知らねぇし。
なんか、燃えない?」
その意味がわかったあたしは、ボンッと顔が真っ赤になった。
「た、拓人君……」
あなたは何を言っているの?!
「……桃菜」
顔が赤いから、拓人君の方を向けないでいると、クイッにと顎を持ち上げられて、甘いキスをされた。
「……ん」
ここ、外なんだよ!?
そんな気持ちを込めて、拓人君の胸を軽く押す。