「だから、ちゃんと俺のところに戻ってこい」
ハッキリとした声……
安心感をくれる拓人君。
「うん……。」
ちょっとだけ……
腕に力を込めた。
自転車が止まった。
久しぶりに来た家……
何も変わってないや……。
「ありがとう」
「全然」
あたしは自転車から降りると、拓人君と向かいあった。
「桃菜、ちょっと」
手招きする拓人君に近づく。
すると、
チュッ
「!」
触れるだけのキスを、あたしにくれた。
「た、拓人君……」
こんなところで……
誰かに見られたらどうすんの!?
たぶん顔は赤い……
「早く、戻ってこいよ?」
「うんっ!」
拓人君はフッと笑うと、また触れるだけのキスをくれた。
「……家、入れば?」
そう言って、あたしに鍵を返す拓人君。

