そしてとうとう放課後になった。
拓人君と付き合ってることは内緒だから、登下校はバラバラ。
ある意味よかったかも……
もし一緒に帰ってたら、祐とちゃんと話しができないし……
教室を出て行く拓人君の背中を見つめて、視線を教室に戻した。
あれ、祐がいない……
もう行っちゃったのかな?
あたしは慌てて鞄を掴むと、図書館に向かって走った。
うちの図書館は、4階の一番奥にある。
4階は、物置とか、空き教室。
あとは図書館くらいしかない。
だから誰も、わざわざ4階に来て図書館に来る人なんかいない。
図書館の扉をそっと開けると、案の定人はいないみたい。
キョロキョロ見回すと、一つの机に軽く腰掛ける祐がいた。