「俺が桃菜の家の鍵を持っているのは、本当。」
「……やっぱりあたしをからかってたの?」
そう上目遣いで聞く桃菜。
こんなときなのに、可愛いと思っている俺は、かなりヤバいと思う。
「違う。からかってなんかいねぇよ」
そう、からかってなんかいない。
「じゃあ、なんで拓人君があたしの家の鍵を……?」
うん、一から説明しないとだよな……
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そう、桃菜の家のお鍵は俺が持っている。
でも、それを知ったのは桃菜と付き合ってから。
つまり、最近知ったことだ。
桃菜と初めて会ったあの桜の木の下。
あのとき、俺のキーホルダーを拾ってくれた桃菜は、自分も何かを落としていった。

