「……わかんない」




少し気になったけど、今はそう言うしかない。




「近くになにがある?!」




近く……?




「ベンチに座ってる……」


「他は?」


「あと、小さなガソリンスタンド……」




そう返事をすると、ブチッと電話が切れた。




……呆れられちゃったかな?


嫌われちゃったかな??




自分がちゃんと聞かなかったのがいけないのに……





胸が苦しいよ……






じわっと目に涙が溜まっていくと……




「桃菜っ!」




そっとあたしを抱きしめる拓人君がいた。