「全部は全部だよ。おまえが亜美の家に泊まってないことも、徳山拓人と付き合ってることも!」
「?!な、なんで……」
声を荒げた佑。
でもそれより、なんで知ってるの?
あたしが拓人君と付き合ってることを……。
ジリッと近づく佑に、あたしは一歩一歩後ろに下がる。
「桃菜、俺は認めない」
とうとう壁のあるところまで追い詰められた。
そして近づく佑に、あたしはゾクリとする。
「桃菜……」
「きゃっ!」
ガシッと捕まれた腕に佑の怒りが込められる。
「い、たい……」
恐怖と痛みで涙がこみ上げてくる。
耐えろ、あたし。
耐えろ耐えろ耐えろ……
ギュッと目を瞑ったそのとき……

