忘れるくらい他のことを考えてもらう……?
それってどういう意味だろ?
「ねぇ、それって……んん?!」
どういう意味?まで、でてこなかった。
あたしの唇に、拓人君の唇が重なったから。
「た、拓人…君」
「しゃべんな。
やりにくい」
そう言い、再び重なる唇。
今日は学校とかでもキスされたけど、それよりずっと長いキス……
息が苦しくなったところで、唇が離れた。
肩で息するあたしとは違って、拓人君は余裕の表情。
そして耳元で、
「桃菜顔真っ赤だし、目ウルウルしてるよ?
そんなによかった?」
と言った。
それだけであたしは死にそうなくらいキュンとする。
そっと拓人君を見上げると、困ったような顔の拓人君。
「……その顔で上目遣いされると、理性切れそう……」
そう呟いた。

