「いーじゃん。 見せつけてやろーぜ?」 「だ、ダメ!」 「なんで?」 「だってそしたら付き合ってるって思われちゃうんだよ!?」 「実際付き合ってんじゃん」 「そしたら拓人君の素がバレるかもだよ!?」 そのとき、拓人君の眉がピクッっと上がったのを、あたしは見逃さなかった。 ……いける! 「そしたら困るでしょ? だから別々に戻ろ?」 「……わかった」 よし! 勝った! そして教室には拓人君が先に戻ることになった。 よかった…… あたしも女子に睨まれるのだけは嫌だし……