そっとゆりの手を握ると、びっくりする位冷たかった。
ゆりは、死んだんだ……
俺がゆりを、殺したんだ……
「ゆり……
ごめん………」
誰にも聞こえない声で、呟いた。
こんな俺を、ゆりは許してくれないだろう……。
ゆりを見ながら泣く母さん。
父さんも泣いているのがわかる。
……2人とも、内心は俺のせいって思ってるよな……
俺は罪悪感からか、葬式のときですら涙を流さなかった。
……いや、流せなかった。
「拓人……」
「……母さん……」
葬儀の後、俺の部屋にやって来た母さん。
「ゆりの……
ゆりが、あなたの誕生日に渡してって言っていた物よ……」
「……え?」
ゆりが、俺の誕生日に……?

