私はコクンと頷いた。
彼は、じゃあ、この辺ね。と指で位置の指示をする。
「はい、どうぞ!」
私にハサミを手渡した。
美容師さんの大切な仕事道具を手にするのはとても緊張する。
「い、いきます。」
いけ!
さよなら、ボロボロの自分!
シャキン
「……。」
「うん!よく出来ました!」
そう、私の頭をポンポンとする。
鏡には片方だけ肩辺りまで切られた髪。
手には自分が怠けた分だけの長さの髪。
「それ、持って帰る?」
「いやいや、いらないですよ。」
私は床に髪を投げつけた。
「そっか(笑)じゃあ、続きいくよ!」
私の髪を何のためらいもなく、切り進めていく。

