シャー……
あったかい。
お湯の温かさが冷え切っていた私の身に染みる。
シャカシャカシャカシャカ……
何で人にしてもらうシャンプーってこんなにも気持ちいいんだろう。
美容師さんってすごいよな。
何か寝そう……
なんて思っていたら、上からヒョコッと顔が覗いた。
「痒いところは?力加減大丈夫?」
「大丈夫です……。」
そう?って、ニコニコとシャンプーを続ける。
何でかね。美容師さんってやたらかっこいいよね。不細工な人はあんまり見たことない気がする。
私の頭は、もう髪を切らなくても十分スッキリですけどってぐらい綺麗サッパリ洗い流された。
再び鏡の前に通され、クロスをつける。
「さぁ、始めよう!」
そう言って彼は、私の腰まである髪の肩の辺りにハサミを入れようとする。
「あ゛ーーー!!」
私は思わず叫んだ。
「何!?どうした!!?」
髪が切られる直前で止まった。
どうしたって!
「そ、そんなに切るんですか?」
「え?マズい?好きにしていいって言うからさー!」
言った。言ったけど、まさかそこまでいくとは思いもしないじゃん!
「いいんですけど…心の準備が……」
「……じゃあ、1発目は自分でやる?」
自分で?
この髪にハサミを入れる?
いいかもしれない。
自分でおさらばするのも。

