その時、

グゥー…………



私のお腹が鳴った。
は、恥ずかしい!
何でこんなタイミングに!!


「ぷっ!……あっははははは!!」


小野さんはお腹を抱えて笑い出した。
そんなに笑わなくても!
だって、お昼から何も食べてないんですよ、私!


「ごめん、ごめん!お腹空いたよね!」

「はい……。」

掃除も頑張ったし、ぺこぺこですよ。


「さ、姫。街へ出かけましょう。皆に綺麗になった姫を自慢しにいきましょう。」

そう言ってにっこりと微笑み、私に手を差し伸べた。
いや、姫って……

「こんな時間に?」

「うん。せっかくだから外に出ないともったいないよ。どっか開いてるでしょ!」


うん、そうだね。
私も少し、外に出たい気分だ。

私はそっと小野さんの手に手を乗せた。
それをぎゅっと握りしめ、私をエスコートするように歩き出した。