「まだ、最後の仕上げがあるから!
さ、目を閉じて!」

目を閉じる?何で?
何をする気だ?

まぁ、いい。
この際だから、全て任せよう。
やりたいようにやって下さい。

私は目を閉じた。



それからしばらくして感じたのは、顔に何か冷んやりとした物が乗る感触。
そして、それが暖かい何かによってスーッと伸ばされていく。
その後は、ふわふわした物が顔を行き来しているのがわかった。


あぁ。私、メイクされてるんだ。

私は何も言わず、じっとメイクが終わるのを待った。

目、頬に色付けられていく。
今、目を開けたらきっとすごく近くに小野さんがいる。
そう思ったら、妙にドキドキした。

そして、最後に唇に温かさを感じ、スッーとなぞられる。