初恋の始まりは病院で。

ドタバタドタバタドタバタ







そんな足音が聞こえて




ガラッという音と共に




息を切らした中村先生がいた。




「どうしたのっ?!拓也くん!!!」





「プッせんせー、廊下は走っちゃいけないんじゃなかったっけ~???」




「…ナースコール押されたら走るに決まってるじゃないの!!!お陰で…足、パンパンだわ」




「アハハハハッッ。ごめんねせんせ」





「ううん。それで、どうしたの?」






俺は、小さい時みたいに





「あのねー?中村せんせい。カナちゃんが起きないのぉ~」




そう言った。





そんな俺を見て中村先生は




クスリと笑い、






「拓也くんが『カナちゃん』なんて言ったの久しぶりに聞いたわ~!拓也くんとカナちゃん小さい時もそういうのあったわね」





懐かしむように言った。





先生とお話ししてカナを起こした。





「先生仕事の邪魔してごめんね」






「大丈夫よ!それじゃぁまたね!」






…少し、気持ちが楽になった。