初恋の始まりは病院で。

…雨がいつの間にか降っていた。





俺の大嫌いな雨。




「拓也くん、朝ごはんよ!あら?雨、降ってるわねぇ…」




トレイに朝食を載せて来た中村先生。





「いただきます」





そう言い箸を持とうとした。





カランカランッ




そう音を立てながら




転げ落ちた箸。




「…っ、あら拓也くん箸、落としたの~?もう、ちゃんと持たなきゃダメじゃないのぉ」



中村先生が、




無理矢理笑顔を作って俺に話す。




はい。今度はちゃんと持ってね?




そう言って、新しい箸を持たせた。





よし、今度はちゃんと持って…っと




カランカランッッ





…っ何でだよ。





「先生、食べさせてくれない?ごめんね、俺の手ゆうこと聞かねぇみたいでさ」



俺も無理矢理笑顔を作り





先生にお願いした。