「カナちゃん、検査に行こ…あら、拓也くん!遊びに来てたの?」





「松村先生、こんにちは」




ペコリと頭を下げると、





松村先生もあの時と変わらない笑顔で




俺の頭を撫でてくれた。





「え~。もう検査?カナまだたっくんとお話ししとく!」



頑固なのも変わってない。





小さい時から口癖みたいなものだった。




『嫌だぁ~!!!まだたっくんと遊ぶのぉ~!!!!!!!』




そう泣きじゃくってよく松村先生を




困らせてたカナ。





そんな時俺こう言ってたっけ。




『カナちゃん!検査終わってからまた遊ぼうよ!僕、待ってるからさ!』




そう言ってニコリと笑うと






カナは泣くのをやめ





行ってきます!たっくん待ってて!





そう言いながら出ていってたな。




まだ、泣いているカナに向かって、





「カナ、検査終わってからまた話そうぜ!俺待ってるからさ」






小さい時よく言っていた言葉を





カナに掛けた。





カナはぴたりと泣き止み





行ってきます!たっくん待ってて!





おんなじセリフを言い、出て行った。