初恋の始まりは病院で。

カナちゃんの部屋に行くと



カナちゃんはまだ眠っていた。




ふふふっ…お寝坊さんだぁ~…。


僕はそう思いながら、




「ねぇ、せんせっ。起こしていい?」




松村せんせいの耳元で、




コッソリこしょこしょ話をした。



松村せんせいは、




両手で丸印を作って、



「お寝坊さんのカナちゃんを起こしてあげて?」



クスッと笑って僕に言った。



僕は息を吸い込み、



大きな声で



「カーナちゃーーーん!あっさですよ~!!!起きてくださーーーーーーい」


叫んだ。



その時─────



「ゴホッ…ハァッ…ゴホッゴホッ…」




息が苦しくなって、




その場にうずくまった。



「拓也くんっ!!!大丈夫?拓也くんっっ」


松村せんせいが



僕に慌てて寄ってきた。




「中村先生っ!!!来てください!!!」



松村せんせいは




中村せんせいに電話をした。