夜8時半──



「拓也~?」



この声は…お母さんだ。



「はぁい!!!」



この時間になると



凄くワクワクするんだ。



「今日は、何したの?」



優しい顔で、尋ねたお母さん。



「今日はね、1日中けんさだったよ」



僕の話を、楽しそうに聞くお母さん



それでも



お母さんは家に帰ったら



泣くんだろう。



わんわん泣いて、病室では



無理して笑うのだろう。



ごめんねと言いたいけど、



僕ができることは、



元気になる事─



ただそれだけだ。



「お母さん、僕、元気になるね?」



そう言って満面の笑みで言うと、



「拓也とまた一緒に暮らせることを願ってるよ!!!頑張ろうね?」



嬉しそうな顔でそう言ったお母さん。



僕、頑張るね。