「いやだぁ~!!!いたいもん!!!」



泣き叫ぶ声が聞こえる。



この声は…



カナちゃんだ。



「カーナちゃんっ」



カナちゃんのいる病室を



こっそり覗き込んだ。



「たっくん~………」



泣きながら僕の顔を見るカナちゃん



「ねぇ、松村せんせー、カナちゃんどうしたのぉ?」



僕が聞くと、



カナちゃんの担当の松村先生は



困り顔で



「注射、嫌だって言うのよ~…」



そう言った。



「そうなんだぁ~…」



そう僕は呟き、



カナちゃんの方へと歩み寄った。



「カナちゃん、注射頑張らなきゃよくならないよ?」



2つ上のカナちゃんにそう言った。



「たっくんは…痛くない?」



カナちゃんは目を潤めて僕に言った。



「痛いよ。だけど、僕、頑張るんだ!!!」



僕がにっこり笑いそう言うと、



「じゃぁ、カナも頑張るもん!!!」



カナちゃんもニッコリ笑った。



よし。



これでいいんだよね。



そう思い、僕は、



病室を出た。