初恋の始まりは病院で。

カナちゃんが…僕のことを好き?



いやいや、そんな事はない。




僕が勝手におせっかいしてるだけで




カナちゃんは



ウザいって思ってるのかもしれない。





でも、ウザいって思われるのも





いやだな。






「………くや…拓也くん?」






僕の身体をトントンした中村せんせい




「うわっ…どっ…どうしたの?」




「どうしたの?じゃないわよ…。拓也くんこそ、どうしたの?ボーっとしちゃって」




中村せんせいはそう言った。





ボーっとしちゃって



なんて僕が聞きたいよ。



「あ、熱測ったよ!!!」




僕は体温計を渡した。



「36℃9分ね!!!今日も元気元気~」




中村せんせいは





ニコリと笑って



「あ、先生からねお風呂の許可が出たわよ?お風呂、入ろうか」



お風呂…。



「ほんとにっ??!?!?!入る~!!!」




3日ぶりのお風呂。




僕にとっては天国だ。




「それじゃぁ、行こうか」





中村せんせいと手を握り





お風呂へと向かった。