初恋の始まりは病院で。

「カナちゃん~起きてくださーい。朝ですよぉ~」



僕はカナちゃんを起こそうと、



カナちゃんの身体をゆっくり揺さぶる。




「スースー…」





カナちゃんの吐息が小刻みに聞こえる




生きている証拠。





こんなの普通かもしれない。



それでも小児科にいる子供達は




いつ自分の命が無くなっても




おかしくない状態なんだ。




「カナちゃん…」




僕はカナちゃんの顔にそっと、




自分の手を当てた。




ほっぺたはひんやりしていた。




僕はナースコールを押した。