初恋の始まりは病院で。

…どうしてだよ。











どうして止めるんだよ…。












「なんてことするのっ!拓也!!!!!!!!!」











…なんで、泣いてんだよ。母さん













果物ナイフを持っていたはずなのに











いつの間にかソレは母さんの











手にあった。














「死のうと、思った。」










ポツリと呟いた言葉。











「死んでどうするのよっ!」











死んでどうするって?











そんなの、決まってんだろう。











もう一度人生やり直すつもりだった。











それなのに…それなのに…











「なぁ母さん。俺が病気だから、毎日毎日夜泣いたんだろ?」










俺の言葉にハッとした母さん。













「俺の前では明るく振るまいて夜になったら泣いたんだろ?俺さ…知ってた。病気よくならないことも知ってた。だから生きてる意味ねぇじゃん。」










「それだから死のうとしてたのっ?!」










「そうだよ、俺なんかいなければよかったんだよ。そしたらっ!!!母さん苦労せずに済んだでしょっ?父さんも苦労せずに済んだでしょっ?」










そんな俺を抱きしめながら










「バカねッ!!!苦労なんかしてないわよ!でもね、死のうなんて2度と考えないでっ!母さんも父さんも晴もみんなみんな拓也が元気に退院する事願ってるんだから」











…ごめん。みんな












「ウワァァァァ~…ァァァァァァ…」











俺は母さんの胸の中で泣いた。











こんな事考えてた俺が馬鹿だった。












ごめん、もう死ぬ事なんて考えない。










生きる事だけを考える。









俺は泣きながらそう決めた。