俺、共犯者と秘密共有中。

「俺ずっと、何回もふられてたじゃん?……でさあ、大学でお前ら見てるうちになんていうか、気付いちゃったんだよね。

 美咲は純平が好きで、純平も美咲が好きだってこと。

 ……それで俺、焦っちゃって、美咲に、純平は好きな人いるから、無理だよって、

 最初は俺のこと好きじゃなくていいから、付き合ってほしいって、半ば強引に付き合って貰ったんだよね。」

「……」


 淡々と述べられた隠された事実に、俺はすぐに言葉が出てこなかった。


 聖也はそんな俺にバツが悪そうにちらりと視線を送ると、また目を伏せて、言葉を紡いだ。


「……事の発端は、俺のせいだったんだよ。美咲と純平のこと、苦しめてたの、全部俺。

 美咲には、何回も終わりにしようって言われてた。でも、美咲ってさ、良く言えば優しいけど、悪く言えば流されやすいだろ。

 ……それを利用して、ずるずる1年も引きずってたって訳。

 ……これで全部、話した。」


 俺の頭の中は、美咲ちゃんと過ごした1週間のことを振り返っていた。


 彼女の涙が、もし全部、……俺のためのものだったんだとしたら……。


 あの日、俺にぶつけられた鋭利な言葉が全部、偽物なんだったとしたら……。


 彼女は今、どんな思いでいるのだろう。


「……美咲ちゃんが、俺を好きだっていうの、間違いだって可能性は?」


 聖也は、すっかり冷めたコーヒーを飲み干し、軽く微笑んだ。


 その笑みは微かに憂いを帯びている。


「……ないよ。俺、別れる時、はっきり言われたから。……あ、あと、頼みがあったんだった。」