俺、共犯者と秘密共有中。

 いつの間にか眠ってしまっていたらしく、目を覚ました俺は慌てて体を起こした。


 美咲ちゃんはもういないんじゃないかと思ったけれど、隣には別の体温があって、ホッと息を吐いた。


 時計を見れば、まだ早朝の5時だった。


 夏が近づいているせいか、太陽が昇るのが早い。


 美咲ちゃんの真っ白な顔が朝日に照らされて、眩しそうだったので、カーテンを閉じて光を遮る。


 ついでに点けっぱなしだった間接照明も消すと、部屋は先ほどよりかなり暗くなった。


 ベッドに戻ると、美咲ちゃんは顰めた顔を戻し、気持ち良さそうに眠っていた。


 さらりと、柔らかな髪を撫でる。


 ……ずっと、離したくないと思った。


 明かりを消した理由は、そこにもあった。


 彼女がすぐに目を覚まさないように。


 終わりを、少しでも引き延ばすために。


 眠りが浅かったせいか、まだ眠気が襲ってきて、大きなあくびをする。


 それでも、二度寝したい気持ちを抑え込む。


 もうこんな朝を迎えることは、きっとない。


 もうこんなふうに、彼女の髪に触れることは……。


 俺は、手を滑らせて彼女の頬に触れた。


 顔を近づけると、俺の癖っ毛な髪が当たったのか、くすぐったそうに笑う。


 そのまま目を伏せて、そっと唇を重ねた。


「ごめん……。」


 聞こえない謝罪と共に、彼女の髪をするりと手櫛で梳かして、自分の欲望を奥に仕舞い込むように、俺は部屋を出た。