俺、共犯者と秘密共有中。

「熱かったら、言ってね。」


 ぶわ、と温かな風が濡れた髪に当てられる。


 細い指先が、俺の髪を何度も掬った。


 それが心地いいような、くすぐったいような感覚に襲われる。


 これは少し、……眠くなりそう。


「さらさらだよね、……ずっと、触ってみたいって、思ってた。」


 いつもより少し落ち込んだような声色に、目の前の鏡越しに美咲ちゃんを見た。


「……そう?癖っ毛だよ。」


 一瞬目が合って慌てて目線を移すと、自分の言葉の通り、乾いた毛先がくるん、と曲がっている。


 美咲ちゃんがそれを嬉しそうにして、指で弄んだ。


 ……こうしていると、忘れそうになる。


 このまま、夜が明けなければ、……ずっとこうして、居られれば。


 日付はもうすっかり変わっていて、俺の心は焦りを感じるばかりだった。