俺、共犯者と秘密共有中。

 部屋に帰っても、俺は美咲ちゃんが直視出来なかった。


 わざと、美咲ちゃんが座るソファを避けて、床に腰掛ける。


 彼女もなぜか、いつになく静かだ。


 一緒に夜を越えるのは、初日以来だ。


 あの時は記憶がなかったけれど、今ははっきりしている。


 実際、俺は普段ヘタレだ。


 ……だから、この状況に今緊張しているわけで。


 深くため息を吐いた俺に、美咲ちゃんが流れていた沈黙を破った。


「……どうしたの?」


 なんのことかと一瞬思ったけれど、今の自分の行動のせいかと推測して、なんでもない、と首を横に振る。


 美咲ちゃんは小さくそっかと呟いた後、一呼吸置いてまた口を開いた。


「……髪。」

「ん?」

「髪、……乾かしてあげる。」

「え、」


 俺が返事をしないうちに、美咲ちゃんは先ほど貸したドライヤーを手に、迫ってきた。