俺、共犯者と秘密共有中。

 振り返った美咲ちゃんの目は、どうやら迷っている様子だった。


 目に涙を溜めて、大きな黒目はゆらゆらと揺れている。


 俺はもう逃がさないように、彼女の細い手首をきゅっと握った。


 そしてもう一度、諭すように言った。


「お願い、……朝まで、朝まで一緒に居てくれたら、……それでもう、ほんとうに、諦めるから。」


 なんて情けない、往生際が悪いんだろう。


 そうは思っても、溢れ出した感情は止められなかった。


 美咲ちゃんは、軽いため息とともに、肩を落とす。


「うん、わかった……。」


 彼女にこの部屋を出て行こうという意思がないのを確認してから、俺は手を離した。


 朝が来れば、ほんとうに終わり。


 すべて、終わり……。


 自分にそう言い聞かせて、また溢れてしまいそうになった涙を、下唇を噛んで堪えた。