俺、共犯者と秘密共有中。

 美咲ちゃんが来ると、また俺の家で借りてきた映画を観る。


 遊園地とか、水族館とかへ行きたいだなんて、そんな欲張りなことは言わない。


 1週間前の俺からしたら、この部屋でふたりで過ごすことなんて、考えられないからだ。


 この間レンタルショップでなんとなく手に取った恋愛映画。


 中身はなんと、浮気の話だった。


 浮気相手でもいいよと笑う主人公と、ふたりの間に挟まれたヒロイン。


 俺たちはその映画の世界に完全に引き込まれ、目線は画面に釘付けだった。


 ……そして、ふたりして泣いた。


 ヒロインは、どちらも選ばなかった、……いや、気持ちがゆらゆらと揺れて、選べなくなってしまっていた。


 しかし、最後は1度は切れた主人公と再会し、運命だとふたりは結ばれた。


 ……美咲ちゃんの涙の奥には、どんな気持ちが隠されていたのか、俺は怖くて聞けなかった。


 これは映画の話、作り話だ。


 ……だから、きっと、俺たちがこんな風に結ばれることは、ないんだろうな。


 俺の肩に寄りかかる美咲ちゃんの重み、シャンプーの、匂い。


 ひとつひとつ、忘れないように、大切に胸にしまっておこう。