俺、共犯者と秘密共有中。

 唇に触れた柔らかな感触に、思考が停止する。


 止まらなくなった俺は、角度を変えてもう一度それを塞いだ。


「ん、……。」


 美咲ちゃんから微かに溢れた声に、脳みそを溶かされそうになる。


 彼女の肩に置いていた手を後頭部に回し、柔らかな髪に差し込むと、ふたりの間に距離はなくなった。


 更に俺は、唇を割って舌を入れる。


 今まで堪えていたものが、堰を切ったように溢れ出し、止まらなくなる。


 お酒のせいか、温度がおかしい。


 その熱に浮かされて、頭がクラクラして、まともな判断が出来ない。


 さすがに息苦しくなって唇を離すと、とろんとして潤んだ瞳が、俺を捉えた。


「……純平くん。」


 さっきまで合わさっていた唇が動く。


 俺は自分のやったことに今更罪悪感が押し寄せてきて、美咲ちゃんから目を逸らした。


「……ごめん。こういうこと、もうしないって言ったのに。」


 俯く俺の肩に、美咲ちゃんが華奢な手を乗っけてきた。


 顔を上げれば、彼女はゆっくりと首を横に振った。


「……明日は、……なに、しよっか。」


 なんでだろう。


 どうして彼女は、こうしてずっと、苦しそうに笑っているんだろう。


 俺の中に、ずっと考えないようにしていた、聖也の顔が浮かぶ。


 ……罪悪感。


 ……俺は、なにをやっているんだろう。


 彼女も、苦しめて、聖也も、裏切って。


 ポケットから、スマートフォンを取り出し、時刻を確認する。


 23時30分。


 今日が終わるまで、あと30分。