俺、共犯者と秘密共有中。

 俺は、空っぽの駐車場の車止めに腰掛けた。


「別に、いいよ、俺。ただ、利用されてるだけだったとしても、……別にいい。」


 本心か、と問われれば、それは違うかもしれない。


 けれど、……けれど、それでも美咲ちゃんと一緒に居られる時間は、俺にとっては幸せだ。


 ……だから、美咲ちゃんの心が、別のところにあったとしても、俺は彼女と居られるこの1週間を、幸せと名付ける。


 膝に肘を置いて、頬杖をつきながら、何故か泣きそうに俺を見つめる、美咲ちゃんを見つめ返す。


 その表情の裏側に、なにがあるかなんて俺にはひとつもわからなかった。


「……キス、……しよっか。」

「え?」


 美咲ちゃんの突然の言葉に、俺は唖然とする。


 ポカンとした俺なんか全くの無視で、美咲ちゃんは俺の隣に座ってきた。


「え、待って。……酔ってる?」

「酔ってない、って言ったら、……?」


 俺が言葉を失っていると、美咲ちゃんはいたずらっぽく笑った。


「嘘、……酔ってる、たぶん……。」

「俺もう、……こんなこと、は。」

「ううん、……1週間で終わっちゃうなら、純平くんにとって、ちゃんと心に残ること、したい……。」


 いつもと違う、美咲ちゃんの顔、色っぽい声に、思考が停止する。


 美咲ちゃんはそのまま、何も言わなくなった俺に顔を寄せてきた。


 ふわり、とシャンプーの香りが鼻を掠める。


 俺も随分、酔っていたのかもしれない。


 自分の手は、自然と細い肩に手を回して、引き寄せてしまっていた。