俺、共犯者と秘密共有中。

「え、またですか?」


 翌日もバイトで、今日はなにをしようかと考えていたところだった。


 一昨日しつこかった先輩が、また飲み会をしようと言い出したのだ。


「そうそ!まあ俺の家でだけどさあ。美咲ちゃんも誘っといたよ〜。」


 ずっと微笑を浮かべている先輩に、俺は訝しげな視線を送った。


 先輩は俺の表情から何かを読み取ったのか、小さくため息をつくと、肩を組み、顔を寄せてきた。


 そして声を潜めて、耳元に語りかけてくる。


 ぞわ、と背筋に寒気が走った。


「俺さ、純平のこと応援してんだぜ?美咲ちゃんさあ、モテるよ?しょっちゅう電話番号とか渡されてるよ?いいの?」


 俺が先輩を見つめると、先輩は親指を突き立て、歯を見せて笑った。


「酒の力借りようぜ〜。」

「あの、美咲ちゃんはもう、……。」


 彼氏がいる、と続けようとしたところでちょうどオーダーが入って、先輩は俺の背中をポン、と叩くと、話も聞かずに行ってしまった。


 俺はため息とともに、深く項垂れる。


 酒の力、ね。


 それでとんでもない展開になってしまっているし、お酒の恐ろしさはもう十分味わった。


 また飲んだりしたら、俺はなにをしでかすか……。


 自分でもわからない。


 今回は、やめとこうかな、……美咲ちゃんは、行くのだろうか。