俺、共犯者と秘密共有中。

 その後食卓に並べられたのは、おいしそうな肉じゃがだった。


「んー、まだちょっとジャガイモ固いかも。」


 美咲ちゃんが少し眉をハの字にして、舌を出す。


「いいよ、そんなの、全然。」


 俺が口に出したのは本心だ。


 手料理を食べることが久々な上に、美咲ちゃんの料理だし、たとえどんなに不味かったとしても、完食できる自信がある。


「えっとじゃあ、……いただきます。」


 そして箸を持つと、向かいに座っている美咲ちゃんは、とても心配そうにこちらを見つめた。


 俺はその視線が気になりながらも、肉じゃがを口に運ぶ。


 ……なんだか、今までにないくらいに、それは美味しく感じた。


 いや、気持ちの問題がなかったとしても、美味しい、……と思う。


 美咲ちゃんが心配していたジャガイモの固さも、問題ないし。


 そのまま感想を口にすると、美咲ちゃんはとても嬉しそうにはにかんだ。


 これから毎日、こんな日々が続けば幸せだろうな、と、頭の片隅で考えた。


 目の前のこの人は、もう5日後にはいなくなる。


 それで、俺の気持ちも、……消さなければいけなくなる。


 幸せだと感じても、これはあくまで一定期間。


 彼女が何を考えているかもわからないし、俺もずるいことをして最低だ。


 ……だけどそれでも、それでも、溢れ出した感情が止められなかった。


 その笑顔が、少しの間だけでも、俺だけのものになればいいと思ってしまった。