俺、共犯者と秘密共有中。

 バイトに行くと、昨日の飲み会に参加していた人たちが、にやにやと不気味な笑みを浮かべながら、好奇の視線を向けてきた。


「……おはようございます。」


 俺が言うと、1人の男の先輩がこちらへ向かってきて、強引に肩を組んでくる。


「なあ、昨日なんかあった??」

「……何かって、何ですか?」


 俺はわかっていてわざと、とぼけてみせる。


 みんなが聞きたいのはきっと、美咲ちゃんとの事だろう。


 美咲ちゃんから聞いた話、俺は告白の後すぐに眠ってしまい、みんながタクシーを呼んで、強引に俺と美咲ちゃんを一緒に乗せたらしい。


 俺はそこでいきなり目を覚まし、1週間だけ付き合ってくれないかと言い出して、タクシーを降り、……まあ、あの結果だ。


 酔うと本性が出ると言うが、自分の行動には驚きだ。


 先輩は、何度もしつこく問い詰めてきたが、俺はなんとか誤魔化す。


「はあ?お前それでも男か?」

「ははは……。」


 乾いた笑いを返すと、先輩はやっと諦めたのか、ちぇっ、と舌打ちをしながら仕事に戻っていった。


 そういえば美咲ちゃんは、彼氏が居ることを、ここでは誰にも言っていない。


 ……なんでだろう。


 ふと疑問に思っていたところで、美咲ちゃんが出勤してきた。


「おはようございまーす。」


 美咲ちゃんの姿を目に入れた先輩が、今度は美咲ちゃんに詰め寄っていた。


 俺は呆れて、そのまま更衣室へと向かった。