俺、共犯者と秘密共有中。

 まだ迷っていた表情の俺に、ホテルを出たところで美咲ちゃんが言った。


「純平くん、……もう後戻り、出来ないんだよ。もう秘密、出来ちゃったしね。」


 そして彼女は、微かにふ、といたずらっぽい笑みを零しながら、背中を向けて去っていった。



 あんな表情、初めて見た。


 俺の知らない美咲ちゃん。


 ……きっとまだまだ、たくさんあるんだろうなあ。


 全て、思い出になってしまう前に、たくさんのことを頭の中に入れておこう。


 この1週間が終われば、……俺の恋も終わる。


 美咲ちゃんの考えていることはわからないけれど、それまで、……ごめん、聖也。


 切れた電話の画面を見つめながら、届くはずもない謝罪を言って、俺は再び、歩き出した。